高血圧とその治療薬について

なかなかブログ更新ができていなくて申し訳ない。

新型コロナウイルスのワクチンについてもそろそろ終わりが見えてきたので少しだけ高血圧の治療薬についてと簡単に内分泌が関わる高血圧についてのお話を数回に分けてやってみようかなと思います。

さて「血圧」とはなんでしょうか?漠然としてますよねえ。

塩分を控えましょうとか血圧を下げようとか言われてもピンと来ない方が多いんじゃないかと思います。

我々が健康に日常を楽しく営んでいくためには身体が正常に機能する必要がありますよね?

細胞レベルでは酸素とブドウ糖などのエネルギー源が大事になります。全身の細胞に酸素とエネルギーを届けるのが血液です。

心臓がポンプとして血液を押し出し血管の中を通って全身に行き渡るわけです(帰りの経路のことは一旦置いて起きましょう)。

さてこの全身に送り出す側の血管(動脈)の壁は3層構造で静脈に比べると分厚い筋肉(平滑筋)の層があります。

動脈の筋肉は柔軟にできていて血液の流れ(血流)が多すぎも少なすぎもしないように柔軟に血管の太さを変化させています。

足りない時にはキュッとしまって血流を保つし、多すぎる場合には広がって溢れて滞らないように。

もちろん同時にどのくらいの量で、どのくらいの勢いで血液を押し出すかという心臓の働きも大事です。

さて、そのようにしてその時々のニーズに合わせて心臓と血管は力を合わせて状態を変化させているわけですが、この時に血管の壁にかかる圧力のことを血圧と言います。

つまり結果論からいうと血液が全身に行き届くように身体(心臓と血管)が色々微調整するなかで血管にかかっている負担というように言い換えてもいいかもしれません。

健康で正常な若い血管であれば柔軟にニーズに対応できますし負担にはあまりなっていませんが、血圧が高い状態が続くと壁にかかる圧が負担となり老化して硬い血管になります。そうすると血圧が下がりにくい(広がりにくい血管)ので更に血管が硬くなるという悪循環になっていきます。

これが脳出血や脳梗塞、心筋梗塞といった脳血管疾患、心血管疾患の原因の一つとなります。

逆に言えば血圧のコントロールをするということは血管を若々しく保つアンチエイジングという側面があります。

次回は血圧を維持する様々なホルモンの仕組みについて簡単に触れていこうと考えています。

よろしくお願い申し上げます。

副院長 当真貴志雄

関連記事

  1. バセドウ病のアイソトープ治療について

  2. 甲状腺機能低下症

  3. 血圧の変動に関わるホルモンについて

  4. 甲状腺機能異常と妊娠の関係

  5. バセドウ病の手術について

  6. バセドウ病の治療の実際

PAGE TOP